シューズクローゼットとは?
本来シューズクローゼットとは、玄関に設けられた靴専用の収納スペースのこと。
ですが最近は靴だけでなく、外で使う雑貨類や衣類、バッグなども収納できる本格的な家族用クローゼットのような役割を果たすものが多くなってきています。
タイプもウォークインタイプにウォークスルータイプ、扉の有り無しなど様々です。
インテリア的にもデザイン性に富んだものが多く、おしゃれなシューズクローゼットが増えてきています。
シューズクローゼットがあると良い点
シューズクローゼットを設ける利点は、外で使うものを収納できる点でしょう。
そのまま中に入れても床は土間なので半室内、野ざらしにされることなく保管でき、専用のスペースなので玄関で場所をとることもありません。
最近の家族クローゼットのようなタイプなら、シューズクローゼットで身支度が済んでしまうような便利なものや、家事動線をとことん追求したものなど、使い勝手の良い形が沢山あります。
帰ってきたとき、家を出るときに出入り口に収納スペースがある便利さが、何よりも一番のメリットではないでしょうか。
シューズクローゼットを作る前に知っておきたいポイント
収納スペースうち大容量を収納できるのは、ウォークインクローゼットと押入れ、そしてシューズクローゼットと、収納スペースの大きな戦力として活躍しています。
そんなシューズクローゼットは、造り方で大きな差がでるスペースです。
そこで造る前に知っておきたい、シューズクローゼット造りで失敗を避けるためのポイントをいくつかピックアップ。
それぞれのポイントが重要な理由も含めてご紹介していきます。
- 動線を実用的で便利にすること
- 玄関との面積の配分を考えること
- 扉について考えること
- 明るさも考慮する
- 風通しの良さも大切
- ウォークスルーが便利
ポイント①:動線を実用的で便利にすること
外で使ったものを中に収納できることが最大のメリットであり、特徴でもあるシューズクローゼットは、動線が実用的であることが必須条件。
このポイントが便利でなければただの物置になってしまうことも少なくはありません。
どんなものを収納し、どこに置くのか、通路の有り無しや物の出し入れのしやすさなど、シューズクローゼットにおいて一番大切なポイントが詰まっています。
動線計画で、シューズクローゼットの使い勝手が決まるといっても過言ではないでしょう。
ポイント②:玄関との面積の配分を考えること
次に大切なのが、シューズクローゼットの広さ問題です。
玄関全体の面積、家の規模を考慮してシューズクローゼットのスペースを配分するのが良し。
シューズクローゼットを広くしたことで玄関のスペースを圧迫したり、コンパクトタイプの家でシューズクローゼットを採用するなど…ほかのスペースに影響がでてしまうこともあります。
家全体のバランスを見ながら設定していくのが、バランスの良いスペース配分をする基本。
本当に必要な設備であるかどうかも見抜く必要があります。
ポイント③:扉について考えること
悩みがちなポイントとして、シューズクローゼットに扉が必要か否か、があります。
どんな扉であれ、ある程度の設置スペースは必要になってくるため、設置しても動線に問題がないか確認する必要があります。
こういった問題点をクリアにしてくれるアイテムが、ロールスクリーンや暖簾。
軽くて開閉にほぼスペースを必要としないため、目隠しや仕切りの役割だけをしっかりと果たしてくれます。
ポイント④:明るさも考慮する
常に人がいるリビングとは違い、滞在時間が短いことで見落としがちなのが、「明るさ」を確保すること。
夜間はもちろん、日中でも日当たりが悪かったり、明り取りがない場合は暗く、印象も悪くなります。
どこかに一つ窓を設けるだけで、明るさも印象も雲泥の差に。
窓を設けられない場合は照明を設置してもOKですよ。
ポイント⑤:風通しの良さも大切
物を保管するスペースなだけに、湿気や臭いがこもりやすいことはシューズクローゼットの数少ないデメリットの一つです。
そうしたデメリットを改善するために、換気できる設備を設けることは大切なポイント。
換気できる窓や、換気扇のどちらか一つは必ず設けるのが良いでしょう。
ポイント⑥:ウォークスルーが便利
玄関にある程度の広さを確保できている場合は、ウォークスルータイプが便利です。
通り抜けできるタイプの作りなので、通路にそのまま収納を付けたようなクローゼットになります。
家族用の動線と来客用の動線を分けることができ、見せたくないものを見せない、通気性が良い、回遊できる動線が便利、というメリットも。
シューズクローゼットのおすすめのアイデア実例15選
実際にある実例から、ヒントを得ることも大切です。
ここからは、実在するシューズクローゼットの素敵実例を沢山ご紹介していきます。
上記でピックアップした押さえておきたいポイントをチェックしながら、取り入れたい形や使用した時のイメージしながら考えていきましょう。
- 玄関と一体型のタイプ
- 奥に長いシューズクローゼット
- お出かけセットが勢ぞろい
- 通り抜けできる収納スペース
- キッチンに繋がる動線
- ロールスクリーンで目隠しが便利
- 引き戸で見せない工夫
- すべてがつながる便利さ
- 下から光を取り入れる
- 死角を使って魅せる
- おしゃれにぼかして
- 奥まで広々すっきりと
- 土間でぐるりと囲んで
- 洗面所につながる動線
- 壁をシューズクローゼットに
シューズクローゼットの実例①:玄関と一体型のタイプ
仕切りもほどほどに、玄関とほぼ一体化している形のシューズクローゼットは、明り取りや換気についての悩みは無し。
目隠しの点さえ気にしなければ、面積も大きく確保せずに設置できるのでとってもおすすめの形です。
棚を可動タイプにすれば、収納できるものの幅も広がるので実用性がアップします。
全体のインテリアも、玄関と一体化したイメージで考えると、最終的に全体がまとまりやすくなります。
シューズクローゼットの実例②:奥に長いシューズクローゼット
玄関から続く廊下のような、奥まで伸びたシューズクローゼットです。
このように奥まで長いタイプの場合は、ウォークスルーにするのがおすすめ。
出口が室内とつながっているだけで、来客用と家族用に玄関を分けることができます。
シューズクローゼットを歩き進めるだけで身支度ができるのも大きなメリットです。
通路にするにも、奥深く続く場合は一つの部屋のような造りになるため、換気や明り取りは必須になります。
シューズクローゼットの実例③:お出かけセットが勢ぞろい
シューズだけでなく、外出用の上着や帽子、バッグなどの収納も一緒にしてしまえるのが、最近のシューズクローゼットの機能的な特徴です。
手ぶらで玄関にでれば身支度ができるシステムなので、忘れ物防止にも役立ちます。
逆に、帰宅時もその場で片付けができるのでとっても便利。
帰宅時間が極端に遅い、出発時刻が早朝の場合でも、家族を起こすことなくすべてが完了。
小さなお子さんがいる家庭にもおすすめの形です。
シューズクローゼットの実例④:通り抜けできる収納スペース
ちょっとしたスペースでも、通り抜けができると何かと便利なものです。
見せたくないものを壁で仕切るイメージの造りなので、空気がこもることもありません。
シューズクローゼットがコンパクトでも、動線や利便性を考えると、ウォークスルーは優秀です。
シューズクローゼット内の収納棚に扉があるタイプなら、さらに見た目はスッキリ。
特に目隠しが必要ないため、圧迫感のない造りにしたい場合にもおすすめです。
シューズクローゼットの実例⑤:キッチンにつながる動線
玄関からシューズクローゼットへ、そこからパントリー、キッチンへつながる動線なら、帰宅後の荷物整理が格段に楽になります。
歩きながら荷物を減らしていくイメージでどんどん片付くので、取りに戻ったりあっちにこっちに移動する手間と時間が削減でき、家事もスムーズに進みます。
外からの土埃などが気になる場合は、キッチン前に扉を付けても良し。
家事をする主婦目線で考えられた鉄板アイデアです。
シューズクローゼットの実例⑥:ロールスクリーンで目隠しが便利
シューズクローゼットに扉を設けない場合は、ロールスクリーンで目隠しがおすすめ。
普段は巻き取っておけるので、作業時も邪魔にならず、必要な時だけ目隠してしてくれるという便利さがあります。
扉に比べてスペースを取らないので、その分の面積を収納に回せるメリットも。
設置も手軽にできることや色柄を選べる点も魅力的な実例です。
シューズクローゼットの実例⑦:引き戸で見せない工夫
玄関の壁一面をシューズクローゼットにしたアイデア実例。
閉め切っている分にはわからない抜群の収納力と、玄関をすっきり見せるデザイン性がポイントです。
とにかくスッキリさせたい、単純な間取りにしたい、そんな方におすすめの形です。
中の棚の形を変えることで、シューズ以外を収納することも可能になります。
玄関の形がシンプルになるので、入り組んだ間取りが苦手な方にも。
シューズクローゼットの実例⑧:すべてがつながる便利さ
シューズクローゼットとウォークインクローゼットを一体化させ、ランドリースペースとつなげた家事動線重視のアイデア実例です。
家の中の洋服や帽子、バッグなどの小物すべてがこの場所に集結しているため、ランドリースペースとつながる動線はとことん無駄を省いた造りになります。
洗濯と収納が同じスペースで片付くので、無駄な移動は一切なし。
主婦にとって最高の便利クローゼットです。
最近はランドリースペースとクローゼットを一体化させたタイプのものが増えてきています。
シューズクローゼットの実例⑨:下から光を取り入れる
収納力抜群の可動棚と、明かり取りの窓がおしゃれなシューズクローゼットは、押さえておきたいポイントを押さえた優秀な実例です。
クローゼット内の窓の有り無しはとても重要で、玄関と一体になっているタイプは特に、見た目と換気の面で影響が出てきます。
電気を付けなくも明るさのある玄関は印象が良く、換気ができる窓があれば湿気やカビの予防にもつながります。
あえて窓の位置を下に設定することで、斬新なおしゃれが楽しめる実例になります。
シューズクローゼットの実例⑩:死角を使って魅せる
ウォークスルータイプなら、見せたくない場所が死角に入る設計で考えると、余計なドアや仕切りなしでシンプルな造りにすることも可能です。
扉がないことで通気性も良く、圧迫感もなくなるので開放的な印象になります。
玄関を広く使いたい、けどシューズクローゼットも欲しい、そんな方におすすめの実例になります。
どんなタイプにも便利な可動棚にするのが良し。
シューズクローゼットの実例⑪:おしゃれにぼかして
シューズクローゼットを仕切るドアに、ぼかしのあるタイプをチョイスした一例です。
クリアにするでもなく、すべて目隠しするでもなく、ぼんやりと見えるシルエットがおしゃれで、印象的な玄関に。
アクセントクロスは濃いめのカラーでメリハリもしっかり。
個性的で素敵なシューズクローゼットです。
シューズクローゼットの実例⑫:奥まで広々すっきりと
子供が喜ぶ黒板クロスを一面に使ったユニークな玄関スペースに、広々としたシューズクローゼット。
スペースを沢山確保できるような場合には、こんな実例も憧れますね。
自転車をおいても広々した空間に、高い位置から差し込む光も良し。
大きくすっきりとした玄関は、来客時にも良い印象を与えてくれますよ。
玄関も広く収納スペースも十分なので、来客時も問題なし。
シューズクローゼットの実例⑬:土間でぐるりと囲んで
玄関を土間でぐるりと囲んでしまえば、シューズクローゼットへつながる動線もシンプルです。
このような場合も、ウォークスルーにするととっても便利。
家族用の玄関として使えるので、来客用のメイン玄関はいつでもスッキリ。
人が来るから片付けを!そんな心配は無用です。
メインの玄関は小さめですが、玄関から見える室内が開放的な雰囲気であれば問題ありません。
シューズクローゼットの実例⑭:洗面所につながる動線
玄関のシューズクローゼットから、洗面所につながる動線の実例も。
雨に濡れた日や、子供のスポーツ試合など、汚れがひどい時でも安心の動線です。
汚れた服や装備を落としてそのまま洗い場へ直行できることや、帰宅時の手洗いうがいなど、外出時に優しい造りに。
小さなお子さんがいるとどうしても増える汚れ物や、帰宅時の泥んこもこれなら安心です。
シューズクローゼットに汚れ物入れを設置しておけるのも、便利ポイントですよ。
シューズクローゼットの実例⑮:壁をシューズクローゼットに
ウォークスルータイプのシューズクローゼットなら、通路である廊下をそのまま活用してしまうのもアリです。
廊下のスペースを少し広めにとるイメージで、全体をシューズクローゼットにしてしまえば、家族用玄関兼シューズクローゼットの出来上がり!
廊下が収納になることでシューズクローゼット専用のスペースを捻出しなくてもよくなることや、廊下にでれば身支度ができることなど良いこと尽くめに。
可動棚にするとさらに利便性がアップしますよ。
シューズクローゼットを作るときの注意点
使うときに後悔しない使い勝手のシューズクローゼットを造るためには、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
造る前に知っておきたいポイントでご紹介した内容と被る部分もありますが、その点は特に落とせないチェック部分です。
最終チェックする気持ちで確認していきましょう。
- 人が通る、入っていることを想定した面積に
- 換気用設備をつける
- 明るさの確保
- 設ける位置を考える
シューズクローゼットを作る時の注意点①:人が通る、入っていることを想定した面積に
物を収納するスペースではありますが、人の出入りがスムーズでなくては実用的な収納スペースとは言えませんよね。
そこで大切なのが、シューズクローゼットの幅(サイズ)です。
人が入る、通る、棚を設ける…など、最低限プラスアルファ必要な幅の設定を間違うと、狭くて動きずらいシューズクローゼットになってしまうのです。
最低限の幅でモノや靴を置いたとき、人の移動に不便がないかどうかをシュミレーションしておきましょう。
シューズクローゼットを作る時の注意点②:換気用設備をつける
臭いや湿気なく快適に使うためには、換気できる設備の設置が必須です。
窓を設置するのが一番ですが、扉を設置したり棚を組み込んだりすることで、窓の位置設定が難しくなる場合もあります。
そんなときは換気扇の設置がおすすめ。
シューズクローゼットのみではなく、玄関をまるまる換気できるものがよりベストです。
換気扇は、玄関とクローゼットの中間に設置するのがベター。
シューズクローゼットを作る時の注意点③:明るさの確保
設置し忘れるととっても不便なのが、シューズクローゼットの照明です。
換気用の窓が設置できない場合は、夜間はもちろん昼間の明かり取りも無しということになります。
後からコンセントタイプのライトをつけたり、電池式のものを設置することもできますが、スイッチでつけられる照明が便利です。
明り取りの窓は、玄関に明るさを取り入れる意味でもあると良し。
窓と照明どちらも設置できるのが一番です。
窓は換気も可能で一石二鳥!
シューズクローゼットを作る時の注意点④: 設ける位置を考える
シューズクローゼットを設ける位置も、印象の良い玄関にするためには考慮しておきたいポイントになります。
玄関入ってすぐ目に入る位置よりは、サイドに持ってくるのがベター。
どうしても正面になってしまう場合は、扉やロールスクリーンを検討すると良いでしょう。
扉に工夫を凝らして、あえて正面に設置する方法も。
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おすすめのシューズクローゼットに関する本
インテリアもファッションも、どちらの面にも刺激を受ける一冊です。
クローゼットの特集は、人によって違うクローゼットの中身を見ることができる新鮮さや、思わずおしゃれがしたくなるようなファッショナブルな刺激にあふれています。
クローゼットの中身を知ることは、インテリアのイメージやクローゼット本体の形のイメージ作りに役立つ情報を得ることに繋がります。
カラフルで魅力あふれる世界観は、シューズクローゼット制作でも良い影響を与えてくれることでしょう。
嬉しい付録付きです。
シューズクローゼット造りはイメージから
どんなものをどんな風に収納するのか、誰がどんなタイミングで使うのか…実際に使うイメージを膨らませることが大切です。
物を置いたときにもちゃんと通路は確保できるのか、扉は問題なく開閉できるのか等、実際の寸法を確認しながらよりリアルなイメージで完成に近づけていくことが、シューズクローゼット全体の成功への近道。
押さえておきたいポイントは決まっているので、その点もしっかりと配慮した上で、シューズクローゼットが本当に必要かどうか、設置してもよいかどうかを見極めるのも大事なことです。
コンパクトハウスでは、シューズクローゼットを採用したことで他の必要な面積が圧迫されてしまうことや、実際形にしたときに狭く、実用的でないなどの失敗例も少なくはありません。
今までご紹介してきた内容をしっかりと頭に入れて、基本的なところからスタートしていきましょう。