ヒンメリとは
ヒンメリはフィンランドの伝統品で、『光のモビール』とも言われるほど繊細で素敵なアイテムです。
最近は日本でも話題となり、インテリアのアイテムに取り入れている人が増えています。
麦わらに糸を通し幾何学形に組み合わせたものを、天井からつるして飾ります。
ヒンメリという言葉はドイツ語では『天』を意味する『Himmel(ヒンメル)』が由来だそう。
ヒンメリの幾何学形のモデルは教会のステンドグラスだそうで、教会のステンドグラスを家で再現しようと、麦わらで作り始めたのがヒンメリの始まりです。
翌年の豊作を願ってクリスマスの準備として作ることが一般的で、大きなヒンメリを作ればより豊作になると信じられていました。
近年ではクリスマスの飾りとして、幸運のお守りとして、様々な願いを込めて飾られるようになったといいます。
基本のヒンメリは、
- 麦わらと糸で作る
- 12本の麦わらで正八面体を作る
- 八面体を組み合わせて飾る
となっています。
最近では幸運のお守りとしての意味合いが強いため、八面体以外にも星や多面体など、幸運を運ぶモチーフを使ったヒンメリの作り方も増えていますよ。
麦わらが手に入りにくいということも多く、代用品としてストローを使って作ることもできます。
基本のヒンメリの作り方【用意するもの】
まずは麦わらを使って作る、基本のヒンメリの作り方を知っておきましょう。
準備するものはこちら。
- 麦わらストロー
- 糸
- ぬいぐるみ用の長い針
- ハサミ
- じょうぎ
麦が付いた状態の麦わらはなかなか手に入れることはできないので、麦わらストローとして販売されているものを用意しましょう。
長さもいろいろあるので、好みのものを選んでくださいね。
糸は細すぎなければどんなものでもいいですが、凧糸だと扱いやすいですよ。
針はなくても作業はできますが、麦わらストローに糸を通してつなげていくので、ぬいぐるみ用の長い縫い針があると作業がしやすくなります。
長い麦わらストローを好みの長さに短くカットして使用する場合は、じょうぎを使ってきちんと長さを測りながら行いましょう。
基本のヒンメリの作り方【手順】
材料をすべて準備したら、基本のヒンメリの作り方の手順を見ていきましょう。
ここではスタンダードな正八面体のタイプのヒンメリの作り方を紹介します。
立体に組み立てるときに結ぶ場所を間違えなければ、簡単に作ることができますよ。
基本の作り方を覚えたら、麦わらの長さを変えて作ってみてくださいね。
- 麦わらストローを水に浸す
- すべて同じ長さにカットする
- 麦わらストローを3本糸に通し結ぶ
- 続けて2本通して結ぶ、を4回繰り返す
- 三角形が5つできていることを確認する
- 麦わらストローを1本通し結ぶ
- さらに結んで立体に仕上げる
基本のヒンメリの作り方の手順①:麦わらストローを水に浸す
まずは麦わらを水に浸しておきましょう。
乾燥したままでもいいのですが、カットして長さをそろえる場合、乾燥していると麦わらが割れたり裂けたりしてしまうことも。
数分水に浸して柔らかくしてからカットすると、きれいにカットすることができますよ。
基本のヒンメリの作り方の手順②:すべて同じ長さにカットする
正八面体のヒンメリを作りたいので、麦わらの長さをすべて同じ長さに切りそろえます。
ここで適当に量ってしまうと、正八面体のかたちがゆがんでしまいます。
面倒でも1mm単位でしっかり測ってからカットすることをおすすめします。
長さはお好みでいいのですが、作りやすいサイズは10cmから15cm程度です。
出来上がりサイズはカットした麦わらの倍程度の大きさになります。
出来上がりサイズを想像しながら、好きな長さにカットしてくださいね。
基本のヒンメリの作り方の手順③:麦わらストローを3本糸に通し結ぶ
麦わらの長さをそろえたら、麦わらを糸に通します。
糸は80cm程度の長さにカットしたものを使いましょう。
連続して麦わらを3本通したら、三角形になるように糸を結びましょう。
この時に片方は10cmほど糸を残して固結びします。
麦わらが緩まないようにしっかりと、かといって強すぎない力加減で結ぶのがポイントです。
強く糸を引っ張って結びすぎて、ちょっと麦わらが裂けてしまった時には、透明のテープを使って見えないところで留めましょう。
裂けた部分が大きい場合は交換したほうが、仕上がりがきれいになります。
基本のヒンメリの作り方の手順④:続けて2本通して結ぶ、を4回繰り返す
糸に麦わらを2本通し、上向きの三角形と下向きの三角形が連続するように固結びします。
これで三角形が2つできました。
さらに麦わらを2本通し、今度は上向きの三角形がつながるように結びます。
というように、全部で4回、麦わらを2本通しては結ぶという作業を繰り返しましょう。
結び方は手順1と同じように、緩まないようにしっかりと結ぶのがポイントです。
基本のヒンメリの作り方の手順⑤:三角形が5つできていることを確認する
麦わらを2本糸に通して結ぶという作業を4回繰り返すと、三角形が5つ連なった状態になっているかたちになっているはずです。
三角形が足りない場合はもう一度手順4を行い、三角形を増やしましょう。
三角形が多い場合は、麦わらを2本取り除いて三角形が全部で5つになるように調整します。
三角形は左から上向き、下向き、上向き、下向き、上向き、となるように向きを整えておきましょう。
基本のヒンメリの作り方の手順⑥:麦わらストローを1本通し結ぶ
麦わらをさらに1本糸に通します。
麦わらを通したら、一番最初に固結びをしたところで結びます。
最初に固結びをした場所は糸が10cmほど出ている場所なので、わかりやすいはず。
ここと結ぶとちょっと立体に近づいてきましたね。
あとは仕上げの作業だけですよ。
基本のヒンメリの作り方の手順⑦:さらに結んで立体に仕上げる
いよいよ立体に仕上げていきます。
手順6で固結びをした三角形で、まだほかの三角形とつながっていない頂点があると思います。
これは一番最初に通した麦わらなのですが、この麦わらにもう一度糸を通してほかの三角形とつながっていない頂点から糸を出します。
糸を出したら、今度はもうひとつほかの三角形とつながっていない三角形の頂点を見つけてください。
この頂点同士を結んだら、正八面体が完成します。
余ってしまった部分の長い糸はカットしてもいいですし、さらに長い糸を付けてモビールとして飾れるように加工するのもおすすめ。
作り方に慣れたら、ひとつ10分程度で作れるようになりますよ。
麦わらの長さを変えたり、いくつかの八面体を組み合わせたり、いろいろなヒンメリを作ってみてくださいね。
星型のヒンメリの作り方
こんなにかわいい星形のヒンメリも作れます。
クリスマスのオーナメントにもぴったりですね。
- ストローを3つのサイズにカットする
- 細いワイヤーを使って組み合わせる
- 立体になるように組み合わせる
基本のヒンメリの作り方は、凧糸などの糸を使って作ります。
星形にする場合は、かたちをしっかりと安定させるために細いワイヤーを使って作りましょう。
ワイヤーを使うことでかたちをきれいに固定することができますが、曲げる方向を間違えるとかたちが崩れてしまいます。
全体を見ながらかたちを整えて、きれいな星形になるように仕上げましょう。
ワイヤーはハサミではカットすることができません。
ワイヤーをかっとするためにニッパーを用意しておきましょう。
ダイヤ型のヒンメリの作り方
ちょっと複雑に見えるダイヤのかたちのヒンメリも、基本の作り方をアレンジして作ることができますよ。
麦わらの量が増えて工程は増えますが、作業内容としては通して結ぶというだけなので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
- 麦わらを3つのサイズにカットする
- 麦わらを使って4本通して結ぶ作業を繰り返す
- 短い麦わらを横に通して立体にする
- 長い麦わらを使って2本通して結ぶ作業を繰り返す
- 頂点を結んで完成
中にも外にもヒンメリがあるダイヤのデザインは、作り方が簡単なのに凝ったように見えるのがうれしいポイント。
基本の作り方に慣れた人なら、簡単に作ることができますよ。
作り方は簡単ですが、使う麦わらのサイズや順番を間違えないようにしましょう。
多面体のヒンメリの作り方
多面体といってもいろいろなかたちがありますよね。
複雑な多面体のヒンメリもありますが、まずは十二面体のヒンメリを作ってみませんか?
正十二面体なら同じサイズの麦わらを使って作ることができるので、比較的簡単に作ることができますよ。
麦わらの数が増えるので、ボリュームのある作品に仕上がります。
仕上がりサイズを考えて麦わらの長さを変えてみてくださいね。
- 麦わらを同じ長さにカットする
- 三角形作り十二面体に仕上げていく
- かたちを整えて完成
三角形を作りながら正十二面体に仕上げていくのですが、三角形をつなぐ場所を間違えないように作っていくのがポイントです。
初めに三角形を5つつないで五角形のかたちにしてから、同じように三角形をつないで十二面になるまで作業を繰り返しましょう。
ストローでお手軽にヒンメリが作れる
麦わらは英語で『ストロー』ですよね。
冒頭でも紹介しましたが、ヒンメリはストローを使っても作ることができます。
ストローを使う場合でも作り方は麦わらを使って作るものと同じなので、材料をストローに変得るだけでOKです。
最近は100均にもかわいいデザインのストローが置いてあります。
プラスチック製のものも、白だけでなくカラフルなものや黒や赤など単色のものが増えています。
近年のプラスチック製品の見直しの観点から、紙製のストローも増えています。
ヒンメリをストローで作るなら、紙製を使うと素材感が出るのでおすすめですよ。
クラフトタイプのものや星柄、ストライプ柄など、紙製のストローはおしゃれなデザインのものが多いのも魅力です。
ヒンメリインテリアのおすすめの飾り方
ヒンメリはインテリアアイテムとして取り入れている人が多く、いろいろな飾り方ができるのも魅力です。
デザイン性の高い複雑なかたちをしたヒンメリは、そのまま飾っておくのが素敵ですが、シンプルなヒンメリはアレンジの幅も広いですよ。
もちろんそのまま飾っておいても素敵なのですが、いろいろアレンジしてみましょう。
おすすめのアレンジはこちら。
- 中にグリーンを入れる
- ドライフラワーを飾る
- タッセルと組み合わせる
- フェルトボールを付ける
- ランプシェードとして使う
- ガラスやビーズを付ける
- 和紙など紙を貼る
こちらはほんの一例で、アイデア次第でいろいろなアレンジを楽しめます。
ビーズなどを使ってヒンメリを小さく作り、ピアスやイヤリングにするのもおすすめですよ。
おすすめのヒンメリの本
基本の作り方は知っているけど、もっといろいろなデザインのヒンメリを作ってみたいという人も多いですよね。
身近なストローを使って作れる、モダンなヒンメリの作り方がたくさん掲載されている本をおすすめします。
基本ヒンメリの作り方から、ちょっと難易度の高いヒンメリの作り方まで、わかりやすく解説されていると人気です。
作り方がわかりやすいだけでなく、デザインもとてもおしゃれなので眺めているだけでも楽しい1冊ですよ。
基本のヒンメリの作り方を覚えていろいろ作ろう
複雑そうに見えて、実は簡単な作り方なのがヒンメリの魅力。
基本の作り方を覚えたら、応用でいろいろなかたちのヒンメリを作ってみませんか?
麦わらを使って作ったり、身近なストローを使って作ったり、素材によって見え方も変わってきます。
簡単に作れるので、お子さんと一緒にヒンメリ作りを楽しんでみるのもおすすめです。