家庭菜園の特徴
家庭菜園の特徴を見てみましょう。
旬の野菜が手に入る
家庭菜園とは、自然の中にある保存庫のようなもので、畑やプランターに旬の野菜がストックされている状態です。
購入した野菜は冷蔵庫や野菜室で保存ができますが、採れたての野菜に勝るものはありません。
家庭菜園の野菜の生育に合わせた献立づくりも楽しいものです。
食卓に家庭菜園の野菜がのるだけで、食事中の会話も広がります。
家庭菜園は、旬の野菜を新鮮な状態で食べられるおすすめの方法です。
空きスペースの有効活用
家庭菜園の規模は、生活環境に合わせて決められます。
庭に空きスペースがあれば、土地の有効活用として家庭菜園をするのも良いでしょう。
ベランダにプランターを置いて家庭菜園をすれば、ベランダも有効活用できます。
作る楽しみと食べる楽しみ
毎日の世話が大切な家庭菜園では、作る楽しみと食べる楽しみの両方が味わえます。
初めての家庭菜園では、最初から上手くはいかないこともあるかもしれません。
しかし、試行錯誤を重ねながら手間暇をかけて栽培した野菜の味は一際美味しく感じられることでしょう。
家庭菜園の種類
家庭菜園には、2つの種類があります。
では、家庭菜園を畑で栽培する方法とプランターで栽培する方法の2種類についてご紹介します。
畑で栽培する方法
畑で栽培する方法は、自宅の庭や貸農園などを利用することです。
貸農園は、レンタル農園やシェア農園とも呼ばれたり、市が運営している場合は市民農園と呼ばれたりもします。
区画された畑を有料で借りることで、自宅だけでなく家庭菜園を楽しむことができるという仕組みです。
農園によっては、器具をレンタルしている場所もあるので、上手に利用しましょう。
野菜づくりのアドバイザーが常駐する農園もあるようです。
実践型の講習会などで、プロの農家の方から直接指導を受けることができる場合もあり、勉強にもなります。
周りの方の畑を見て、勉強するのも良いでしょう。
プランターで栽培する方法
プランターでの栽培は、庭の隅やベランダでの栽培におすすめします。
始めて家庭菜園を始めるという方や、小スペースで家庭菜園をしたいという方にもおすすめです。
プランターはホームセンターや100円均一などで購入できます。
栽培したい野菜に必要な大きさのプランターを準備しましょう。
家庭菜園で育てる野菜の選び方
家庭菜園で育てる野菜の選び方をご紹介します。
住んでいる地域の気候に合った野菜を選ぶ
日本は、南から北まで長いということもあり、地域によって気候が異なります。
高温を好む野菜もあれば、冷涼を好む野菜もあるため、地域の気候に合わせて野菜を選んだり、植える時期をずらすことがおすすめです。
栽培する場所の日当たりで選ぶ
日当たりは家庭菜園を成功させるための重要なポイントです。
畑のある場所やプランターを置こうと考えている場所の日当たりを確認しましょう。
日当たりが良い場所を好む野菜もあれば、多少日陰であったとしても栽培ができる野菜もあります。
日陰で栽培できる野菜もあるため、日当たりの具合に合わせた野菜選びがおすすめです。
栽培する方法で選ぶ
家庭菜園の種類は、畑で育てる方法とプランターで育てる方法とがあるため、栽培する方法で野菜を選ぶことがおすすめです。
プランターの場合、プランターに入る土の容量がある程度制限されるため、栽培できる野菜の種類も制限されることを覚えておきましょう。
食べる頻度の多い野菜を選ぶ
食べない野菜を栽培するよりも、食べる頻度の多い野菜を栽培しましょう。
少なからず収穫の日を迎えるまではお世話が必要です。
収穫までこぎつけたのにも関わらず、食べない野菜では、家庭菜園の醍醐味が半減してしまいます。
興味のある野菜を選ぶ
食べる頻度の多い野菜を選ぶのも良いですが、珍しい野菜を選び、栽培してみるのも良いでしょう。
興味を持つ野菜ならば、毎日のお世話も楽しみながらできます。
家庭菜園で育てるおすすめの野菜【プランター編】
プランターを使って家庭菜園で育てるおすすめの野菜をご紹介します。
【種類も豊富】ミニトマト
種類も豊富なミニトマトは、家庭菜園の代表的な野菜と言えます。
プランターでの栽培に向いているというだけでなく、家庭菜園の初心者にもおすすめです。
小学校の生活科の授業や園芸体験、食育の一環として、鉢植えを行う学校もあるほど小学生でも手軽に栽培できます。
数種類のミニトマトを植えて、食べ比べするのも良いですね。
一度に収穫できる量が多いことや、長い期間、収穫を楽しめることもおすすめの理由です。
朝食やお弁当づくりの際などの、色味を加えたい時にも、畑やベランダから赤や黄色のミニトマトを収穫して添えることもできます。
種まき時期 | 4~6月 |
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植え付け時期 | 5~6月 |
収穫時期 | 5~8月 |
【水やりたっぷり】キュウリ
日当たりが良い場所を好むキュウリは、20L以上の土の容量があるプランターで栽培が可能です。
水やりはたっぷりする必要がありますが、水はけは良い状態にしておくことをおすすめします。
キュウリは病気のリスクが高い野菜のため、家庭菜園初心者の方は、耐病性のある品種がおすすめです。
キュウリの品種の中に、「地這いキュウリ」があります。
地這いキュウリはその名の通り、地面に這わせて栽培するキュウリのため、プランターには向いていません。
プランターでの栽培は、一般的な縦に伸ばして栽培する品種をおすすめします。
種まき時期 | 4~7月 |
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植え付け時期 | 5~7月 |
収穫時期 | 6~8月 |
【長く楽しめる】ナス
ナスをプランターで栽培する場合は、根が深く伸びても大丈夫なように、土の容量が20L以上あるタイプをおすすめします。
わき芽は、一番花まで摘みとり成長させ、枝が増えてきたら剪定をしながら栽培することで、長く楽しめます。
乾燥に弱いため、朝または夕方にたっぷりと水をやることがおすすめです。
種まき時期 | 3~4月 |
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植え付け時期 | 4 ~5月 |
収穫時期 | 6 ~10月 |
【薬味にぴったり】葉ねぎ
お味噌汁やお吸い物、そうめんやうどんの薬味にピッタリな葉ねぎは、家庭菜園で栽培しておくと便利です。
種まきをした後は発芽するまで、不織布をかけるなどして水やりをして乾かないように注意しましょう。
葉ねぎと葉ねぎの植える間隔は、15㎝ほどがおすすめです。
種まき時期 | 7 ~9月 |
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植え付け時期 | 8~9月 |
収穫時期 | 10~2月 |
【どんどん採れる】サニーレタス
根を浅く張るサニーレタスは、プランターでの栽培におすすめの野菜です。
土の表面が乾燥したら、たっぷりと水をあげましょう。
生のままで食べる野菜は、鮮度が良いものを手に入れたいと思うものです。
家庭菜園でサニーレタスを栽培しておけば、それが叶います。
種まき時期 | 3 ~4月 9~10月 |
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植え付け時期 | 4~5月 10~11月 |
収穫時期 | ~月 |
【サラダに】水菜
シャキシャキの食感がサラダにピッタリの水菜は、プランターに直まきをして栽培します。
小株に育てる場合は、1~2㎝の間隔にして、大株に育てる場合は、10㎝間隔で種をまくことがおすすめです。
種まき時期 | 8 ~10月 |
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植え付け時期 | 直まき |
収穫時期 | 11 ~3月 |
【意外と簡単】小カブ
カブも種類の多い野菜ですが、小カブはプランターでの栽培がおすすめです。
直根類であるカブは、プランターに直まきします。
種まき時期 | 3~4月 9~10月 |
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植え付け時期 | 直まき |
収穫時期 | ~月 |
【万能に使える】チンゲン菜
中国野菜であるチンゲン菜ですが、日本でも定着した野菜です。
チンゲン菜は、油炒めや和え物におすすめします。
プランターに種を直まきをして、目がでてから間引きをしましょう。
間引きをしない場合は、5㎝間隔で点まきをおすすめします。
種まき時期 | 4 ~5月 |
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植え付け時期 | 直まき |
収穫時期 | 5 ~8月 |
家庭菜園で育てるおすすめの野菜【畑編】
畑を使った家庭菜園で育てるおすすめの野菜をご紹介します。
【初めての畑にも】ジャガイモ
ジャガイモは、種ではなく種イモを植えて栽培する野菜です。
スーパーなどで売られているジャガイモを種イモにするのではなく、農林資産省の検査機関で検査された種イモの購入をおすすめします。
生育をよくするために、芽出しを行った種イモを植え付けすると良いでしょう。
大きなジャガイモは、約50gの大きさにカットして植え付けます。
葉が黄色く枯れてくると、収穫時期の合図です。
8割の葉が黄色に枯れると、収穫のおすすめ時期と覚えておきましょう。
種まき時期 | -月 |
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植え付け時期 | 3~4月 8~9月 |
収穫時期 | 6月 11月 |
【秋の楽しみ】さつまいも
さつまいもは、手のかからないおすすめの野菜です。
畑の面積が少ない場合は、苗の根元だけを土の中に挿す垂直植えか、苗の両端を少し浮かせた船底植えをおすすめします。
広い畑をお持ちの場合は、先端だけを地表に出し、茎を水平に植える水平植えがおすすめです。
水平植えは、地中にある節の数が少なくなる分、収穫数は少なくなりますが、その分一つあたりの重さが大きくなります。
地域によっては、野生の動物の被害が考えられるため、ネットを張るなどの対策をしましょう。
種まき時期 | -月 |
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植え付け時期 | 5~6月 |
収穫時期 | 10~11月 |
【手軽に植えられる】枝豆
鍋に火をかけてから収穫した方が良いと言われるほど枝豆は、鮮度が大切な野菜です。
家庭菜園で枝豆を栽培することで、鮮度の良い枝豆が手に入ります。
早生の品種を選べば、栽培期間が約80日で短いため、家庭菜園初心者の方におすすめです。
種まき時期 | 4 ~5月 |
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植え付け時期 | 5 ~6月 |
収穫時期 | 7~8月 |
【小さいサイズがおすすめ】大根
大根は40㎝幅のうねを作り、そこに2列で30㎝間隔で種を直まきします。
間引きをする場合は、葉の形が良いものを残すことがおすすめです。
土寄せをすることで、根の曲がりを防ぎ、上部が青くなることを防ぎます。
収穫のタイミングを逃すと、すが入ってしまい台無しになってしまうため注意しましょう。
葉の部分が開き気味になり外側の葉が垂れるようになった時が、おすすめの収穫時期です。
種まき時期 | 9 ~10月 |
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植え付け時期 | 直まき |
収穫時期 | 11 ~12月 |
【お手入れも楽しい】長ネギ
長ネギは、植え付けをした直後はあまり肥料を必要としないため、土づくりをせずに栽培可能な野菜です。
植え付け前に土づくりをしない代わりに、収穫するまでの間に追肥を行います。
11月ごろから収穫が可能になりますが、一度に収穫をしても食べきれない場合は、植えたままにしておき、必要に応じて収穫をすることがおすすめです。
種まき時期 | 3月 |
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植え付け時期 | 7月 |
収穫時期 | 11~2月 |
【慣れてきたらおすすめ】白菜
漬物や鍋に入れて美味しい白菜は、家庭菜園におすすめの冬野菜です。
大玉の白菜は初心者には難しい場合もあるため、ミニ白菜の栽培をおすすめします。
白菜は虫が付きやすいため、早生の種類がおすすめです。
防虫ネットなどで害虫を防ぐこともおすすめします。
植え付ける際には、間隔は35~40㎝で植えましょう。
植え付けのタイミングは、苗の本葉が4~5枚になったころです。
植え付け後は、水をたっぷりとあげて栽培しましょう。
種まき時期 | 9月 |
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植え付け時期 | 10月 |
収穫時期 | 11~1月 |
家庭菜園のメリット
趣味として野菜を育てることを楽しめるだけでなく、他にもメリットがあります。
では、どのようなメリットがあるのかを見てみしょう。
これらのメリットは、家庭菜園をおすすめする理由でもあります。
安心で安全な季節の新鮮野菜が手に入る
スーパーなどで野菜を購入する際に、どのような農薬を使っているのかなどが心配になる方も多いのではないでしょうか。
その点、家庭菜園で野菜を栽培することで、安心で安全な野菜が手に入るようになります。
農薬を使わずに栽培をすれば、無農薬の野菜が収穫できます。
食事の支度の前に収穫をすれば、どこよりも新鮮な野菜が手に入るというわけです。
育てる喜びを感じられる
野菜づくりを通して、栽培する大変さを知ると同時に楽しさを感じ、それらを食べた時にはよりおいしく喜びを感じられます。
子どもと一緒に栽培をすることで、食育にもつながり、自分で作った野菜ならば食べることができると野菜嫌いを克服できる場合もあるようです。
節約できる
野菜の種類によって、種や苗の値段は異なりますが、八百屋やスーパーなどで野菜を購入するよりも節約できる可能性があります。
家庭菜園を行うための初期費用はもちろんゼロではありませんが、揃えようと思えば100円ショップで必要なアイテムを揃えることも可能です。
家庭菜園のデメリット
家庭菜園のデメリットも確認しておきましょう。
世話が必要
家庭菜園は、種をまいたら後は収穫をまつだけではありません。
水やりや追肥などが必要です。
家庭菜園を成功させるには、きちんと世話をする必要があります。
最低限の知識が必要
簡単に栽培できる野菜であったとしても、最低限の知識は必要です。
失敗をしたくないのであれば、植えようと考えている野菜に関しての栽培に関する情報収集をしてからスタートすることをおすすめします。
最初は、初心者でも育てられる初心者向けの難易度の低い手軽な野菜から挑戦しましょう。
難易度の高い野菜づくりは失敗する可能性も高く、家庭菜園を続ける気力がなくなってしまうかもしれません。
気候や天候の影響と害虫や病気の影響
気候や天候の影響はプロである農家でさえも影響を受けるため、家庭菜園に限ったデメリットではありませんが、最悪な状況では何も収穫ができなかったということになりかねません。
害虫は、適切な防御をしなければ防ぐことができません。
病気に関しても同じです。
毎日世話をすることで、早い段階で害虫や病気に気が付くことで、手遅れになることを防げます。
家庭菜園の注意点
家庭菜園を行う際の注意点を確認しましょう。
適切な間隔を取る
畑にしてもプランターにしても、野菜を植える際には、野菜と野菜の間に適切な間隔が必要です。
適切な間隔は、野菜によって異なります。
適切な間隔を取ることで、風通しがよくなり、葉同士が重なり合うこともなく、日当たりもよくなります。
種を購入した場合はそのパッケージに、苗を購入した場合はお店の店員さんからアドバイスを受けたり、参考書をみたりしながら、適切な間隔で野菜を植えましょう。
日当たりに注意
庭の一角に畑を作る場合もプランターをベランダなどに置く場合も、日当たりを考慮する必要があります。
畑を作る位置やプランターを置く位置を間違うと日が当たらずに、せっかく植えた野菜の育ちに影響を及ぼしかねないからです。
十分な日当たりが必要な野菜もあれば、半日陰になるような場所を好む野菜もあります。
景観を気にして畑の場所やプランターの場所を決めるのではなく、季節によっての太陽の動きと建物の関係を考慮して、育てる野菜に合った場所を確保することがおすすめです。
連作障害に注意
同じ土に同じ野菜を連続して植えることを連作と言います。
連作による被害は、野菜によっては、生育に支障をきたしたり、害虫の影響を受けたりすることです。
連作障害の出やすい野菜にエンドウがあります。
エンドウは一度作るとその後4~5年は同じ場所で作ることができません。
逆に、カボチャやさつまいもは、連作障害が出にくい野菜です。
連作障害を防ぐには、計画的に野菜を作らなければなりません。
畑の場合は、植える場所を変えたり、害虫のおとりとなる野菜を植えたりして対策をし、プランターでの場合は、プランターの中の土をすべて入れ替えることで、連作を回避します。
家庭菜園を成功させるコツ
家庭菜園を成功させるには、必要最低限のアイテムを揃えましょう。
必要なアイテムは、畑なのかプランターなのかで異なります。
例えば、畑ならばクワが必要ですが、プランターならスコップで十分です。
土づくりもアイテムを揃えることと同様に成功させるコツと言えます。
もちろん、水やりも大切です。
肥料と水は、たくさん与えれば良いというわけではありません。
潤いのある生活に家庭菜園がおすすめ!
1年を通して楽しめる家庭菜園は、年齢性別問わず、誰にでもおすすめです。
自然が相手である家庭菜園は、様々な影響を受けて思うようにいかないときもあるかもしれません。
それでも、育てる楽しみと食べる楽しみの両方を味わえる家庭菜園はおすすめです。
こちらで紹介したおすすめの野菜を参考に、家庭菜園を楽しんでみてはいかがでしょうか。